横浜銀行様


FP資格の最高峰であるFP1級の取得者数で地銀トップクラスをめざす横浜銀行―

「ソリューション・カンパニー」への進化に向けた人財戦略の一環としてFP資格の取得支援をはじめとする人的資本投資への強化を続けています。

行員のFP1級取得に力を入れる同行の狙いは何か?そのためにどのような戦略を打ち立て、実行しているのか?そして目標達成に向けてFPキャンプをどう役立てているのか?

同行の人財育成方針におけるFP資格取得の位置づけやFP取得促進に向けた取り組み、そしてFPキャンプの導入背景や活用方法、利用した感想などについて、同行人財部 DEI推進室 室長の大湖孔一様と同室アシスタントリーダーの大塚みほ様にお話を伺いました。

いつでもどこでも学習できるFPキャンプは多忙な行員のスキマ時間での学習に最適

 FP1級取得が(お客さまへの)提案力向上と行員のキャリア開発の後押しに

 人的資本最大化のための投資を強化し、ソリューション・カンパニーへの進化をめざす

「ソリューション・カンパニー」への進化に向けた人財戦略の一環で地銀トップレベルのFP1級取得者をめざす

-まず、貴行の経営理念/人財育成方針において、FP資格の取得はどのように位置づけられていますか?

大湖様:当行が属するコンコルディア・フィナンシャルグループでは、長期的にめざす姿として、「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」を掲げており、このビジョンを実現していくための取り組みとして経営戦略と連動した人財戦略を策定しています。その基本テーマの1つとして「人づくり」を掲げており、具体的な施策の1つとしてFP1級や中小企業診断士を高度な公的資格と位置づけ、資格取得者の増強に取り組んでいます。

-行内で掲げられている具体的なFP資格の取得目標はありますか?

大湖様:主要コンサルティング資格(FP1級、中小企業診断士)全体で2024度末までに約550名の取得目標を掲げています。当行の行員数約4,200人を踏まえると、この数値は地銀の中でもトップクラスに高い水準で、人財育成に対する当行の強いコミットメントを表しています。

対面セミナー・きんざい養成コース・eラーニングコンテンツの3本柱で行員のFP取得を支援

-コミットメント達成に向けてどのような取り組みをされていますか?

大塚様:当初は平日と休日の対面研修・セミナー、映像講座、一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)が実施するFP養成コースへの派遣を実施していました。ただ、学習成果や業務スケジュールとの兼ね合い、参加者のニーズなどを踏まえて、現在は休日の対面セミナー、きんざいのFP養成コースへの派遣、そしてeラーニングコンテンツ(FPキャンプ、学習計画自動生成アプリ)の3本柱で行員のFP取得を支援しています。

-各コースはどのような行員の方が参加されていますか?

大塚様:どのコースも基本的には希望者を募り、定員を超えた場合は当部で協議のうえ選出しています。休日の対面セミナーとFP養成コースは20代から30代前半までの若手が多いです。一方、FPキャンプは若手から支店長クラスまで幅広い行員が受講しています。所属は営業部門が大半で、営業店勤務の行員や本部のソリューション営業、営業企画の行員が主に受講しています。

FP1級の知識がお客さまへの価値ある提案やより深いレベルのアドバイスに

-営業担当の受講が多いのは何か理由がありますか?

大湖様:やはり試験勉強を通じて身に着けた知識を直接的に仕事に生かせるのがコンサルティング営業だといえます。銀行の営業店では、FP試験でいうとA分野(ライフプランニング)・B分野(リスク管理)・C分野(金融資産運用)は普段の業務で接する機会が多いと感じますが、D分野(タックスプランニング)・E分野(不動産)・F分野(相続・事業承継)の3つは行員によって経験が区々です。そのため、FPの学習でこれらの分野の知識をしっかりと身に着けることで、お客さまにより付加価値の高いご提案ができます。またお客さまからのご相談により深いレベルでアドバイスできるようになるため、極めて有益です。

FP1級取得が将来のキャリア開発と連動

-FP1級は平均合格率約10%の難関ですが、多忙な行員の方が日々の学習を継続して資格を取得するモチベーションになっているものは何ですか?

大湖様:当行ではFP1級を取得すると金銭的なインセンティブが出るほか、キャリア開発とも連動しています。その1つがFA制度の導入です。これは行員が希望する部署へ自ら手を挙げることができる制度で、FP1級をはじめとする高度な専門知識を有する資格を保有していることが条件となります。そのため自らのスキルを高め新たなステージにチャレンジしていきたいと考える行員は、積極的にFP1級への挑戦を続けていると感じています。

いつでもどこでも学習できるeラーニングコンテンツとしてFPキャンプの利用を開始

-それでは次にFPキャンプについてお伺いします。まず、数ある研修サービスの中で、FPキャンプを導入された経緯について教えていただけますか?

大塚様:先にも少し触れましたが、当初導入した研修について参加状況や成果、業務スケジュールとの兼ね合いなどを踏まえて検証を進める中、日時の決まっている研修やセミナーだけでなく、参加者がいつでも、どこでも手軽に利用できるサービスに対して高いニーズがありました。そこでeラーニングを新たな選択肢として検討していたところ、セミナー講師からほんださんの話題やFPキャンプの推薦がありました。加えて、当行の合格者の中にもほんださんのYouTube動画の視聴者がいて、高く評価されていたことが決め手となりました。

 

大湖様:実は私もFP1級取得に挑戦しており、ほんださんのYouTube動画の視聴者でしたので、大塚からFPキャンプの導入提案があった際にとても納得感がありました。

-FPキャンプの利用実績を教えてください。

大塚様:2024年5月試験対策として、2024年2月からFPキャンプの利用を開始しました。それ以降、2024年9月試験、2025年1月試験の対策として継続利用しており、これまでに延べ150名近くの行員がFPキャンプで学んでいます。2025年5月試験対策としても引き続き利用する予定です。

コンテンツの質と使い勝手の両面で高い満足度。スキマ時間をフル活用できるプログラムが優れた評価

-FPキャンプを利用した感想はいかがですか。

大塚様:毎回試験ごとに受講者にアンケートを取っているのですが、FPキャンプに対するマイナス意見が出たことは一度もなく、コンテンツの質と使い勝手の面でとても満足しています。コンテンツの質では、ほんださんをはじめとする講師の解説が極めて分かりやすく、暗記ありきではなく一つずつしっかりと理解しながら学習を進めることができました。制度の背景や趣旨から教えてくれるので、点と点が線で繋がり、ただ資格を取るだけでなく、実務に生かせる知識を身に着けることができました、という受講生の声が多く上がっています。

 また、使い勝手の面では、動画の長さが一本あたり平均15~20分であったり、一問一答問題付のメルマガが毎朝届いたりと、プログラム全体でスキマ時間をフルに活用できるように作られている点が高く評価されています。行きの通勤時間にメルマガの一問一答問題を解き、昼休みや帰りの通勤時間に動画を視聴するといったサイクルを習慣にして学習を継続した行員もいました。

学習の全体像が把握できるガイダンスが秀逸。2級コンテンツで基礎固めしてから1級の学習に入れるのも知識の整理に有効

-大湖様はご自身でもFPキャンプを利用されたと伺いましたが、いかがでしたか?

大湖様:私がまず感じたのは、全体像が最初に見えており、今学習しているところが全体のどの部分にあたるのかが明確であったことです。何をどう勉強をすればよいか分かりやすく進めやすかったです。また、講義では難しい概念なども分かりやすい言葉に置き換えて、かみ砕いて説明してくれるので頭に残りやすかったです。

 

私は2級取得から15年ほど経ってから、今回1級に挑戦しました。そうなると2級の範囲で忘れている知識も多かったのですが、FPキャンプの1級学科試験コースでは2級の動画講義も用意されており、この2級講義で基礎固めをしてから1級の学習を進められたのも大変ありがたかったです。

定期レポートで受講者の学習状況をつぶさに把握

-行員の受講を管理する立場としてのご意見はありますか?

大塚様:eラーニングですと、受講者の学習状況が分からないのではと心配でしたが、2週間に一度、学習進捗報告が届き、各受講者がどの程度学習を進めているのか定期的に把握できたのは良かったです。やはり、モチベーション高く、日々の学習を継続している行員が高い確率で合格していますね。

-FPキャンプを10点満点で評価すると何点になりますか?

大湖様&大塚様:10点満点です。コンテンツの質やコスト面などを含めて大変満足しておりますので、後は私たちが受講者一人ひとりの意識を高め、さらに合格率を上げていきたいと考えています。

今後はFP1級の意義が根付いた企業風土・カルチャーの構築に力を入れていきたい

-最後にFP取得者の増加に向けた今後の戦略や予定している施策、ならびにその中でのFPキャンプの位置づけについて教えていただけますか?

大湖様:私の知る限り、FP1級取得に向けて研修メニューをはじめとする支援策がここまで充実している地銀は他にはなく、その結果FP1級の年間取得者数は全国の地銀の中で当行がトップレベルにあると思います。そのため、今後はより大きな視点で、「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」を実現するために、行員一人ひとりが真の意味でFP1級の必要性を感じてくれる企業風土・カルチャーを築いていきたいです。FP1級合格者も増えてきましたので、FP1級がどう実務に役立っているかを社内にもっと伝えていく啓発活動にも力を入れて、受講者の拡大につなげていきたいと考えています。

 

FPキャンプには、ほんださん以外にも僧侶の講師など個性的な方がいると聞いていますので、今後はそのような方々の協力も含めて、行員の関心をさらに高めていけたらいいなと思います(笑)。

-本日はお忙しいところ、お時間をいただき誠にありがとうございました。